2010年3月 9日

【追記あり】「短歌道」について

「短歌道」という名前の携帯サイトがあります。

サイト開設直後に、
「枡野浩一さんに総合プロデュースをお願いしたい」
といった内容のご連絡をいただき、
会社の方々に会いに行きました。
とても感じのいい方々でした。

「大変な仕事になると思うので少し考えさせてください」
とお返事し、
結局それほど時間をおかずに、
「私でよろしければ頑張ってみたい」
旨をご連絡しました。

しかし、
それからしばらくして、
私はその仕事を完全におりることになりました。

私に相談もなく、
そのサイトで短歌コンテストの企画が進んでおり、
また、
当初は別の名前だったサイト名も
知らないうちに「短歌道」と改称されていて、
それらが事後報告的にメールで伝えられてきたからです。

短歌コンテストの選考委員も二名、
私の知らないうちに決まっていました。
どちらも少しだけ面識のある、
活躍する若手歌人だったのですが、
私はサイト全体の監修を引き受けたつもりだったので、
やはり事前にご相談いただきたかったと思いました。

その旨を伝えて、仕事をおりました。

「選考委員は、
枡野浩一さんに断わられた場合の、
保険として頼んでしまっていた」
という文意の、
返信がありました。

「枡野さんも、
コンテストの選考委員は
色々な歌人にお願いしたほうがいいと
おっしゃっていたし」
みたいな文意の弁明もありました。

(文面はすべて要約です)

メールのやりとりは数回でしたが、
私の短くない文筆活動の中で、
ここまで杜撰なやりとりは初めてでした。

悪意があるわけでは全然ないのでしょうが。

短歌のサイト運営には細かな神経をつかいます。
小さなことの積み重ねが大切だと考えています。

引き受けなかった仕事の話なので、
いちいち表明しないつもりでしたが、
そのサイトが現在もまだ続いており、
比較的若い歌人たちが選考委員を
引き受けているようです。

私とのあれこれに関係なく、
皆さんがご自身で判断していくべきと考えますが、
枡野浩一がそういう経緯で仕事を受けなかったことは、
やはり表明しておくべきかもしれないと
思う出来事があったので書いておきます。




【追記】
上の文章を発表したあと、
「短歌道」を運営している会社の代表の方から、
丁寧なメールをいただきました。
上の文章にも書きましたけれども、
会社の皆さんは《とても感じのいい方々でした》し、
そもそも《悪意があるわけでは全然ないのでしょう》。
著作やウェブ活動を見ていただければわかるように、
枡野浩一はまあ、こういう歌人なので、
ここを見ている皆さんもそれをふまえて、
「短歌道」や「枡野浩一」それぞれに
接していただけたらと思います。
両者それぞれに道がありますよう……。