2009年4月22日

ラリー遠田から思いだす本

ラリー遠田の文章が好きだ。

お笑いコラム【この芸人を見よ!28】
前M-1王者NON STYLEが手にした「もうひとつの称号」とは
http://www.cyzo.com/2009/04/post_1904.html

ネット配信のニュースで
お笑いのことを書いているコラムニストは何人かいるけれど、
面白いと思って署名を見ると、いつもこの人。

お笑いを語るのはみんな(私も)大好きだから、
陳腐な意見を知らず知らず書いてしまう。
その中で独自の論を展開していくのって、ほんとうに力がいる。

今回のコラムは難しいことをうまく書いてるなーと思った。

《これらのNON STYLEに対する悪評のほとんどは言いがかりに近いもので、それほど明確な根拠があるというわけではない。そういった評判は、正当性があるから広まっているわけではなく、2位のオードリーが売れまくっているのに1位のNON STYLEは全然売れていない、というストーリーの方が面白いからみんながそっちに乗っかることにした、というだけの話である。 》
のあたり、なかなかこうは書けないよ……。

《ただ、ここで私は、「NON STYLEはそんなひどい目に遭っていてかわいそうだから、みんなもっと彼らを評価してあげよう」などと言いたいわけではない。》
あたりから、最後までの展開もいい。

思えば故・ナンシー関はこういう言い方、うまかったなあ。
キムタクのかっこわるいところを無理やり探すコラムとか、
惚れ惚れする展開の巧さだった。

(キムタクのこと書いてある本はどれか忘れた)
何だかんだと (角川文庫)

でもそんなナンシーの仕事ぶりを賞賛しつつ、
少しだけ異議を申し立てるブルボン小林のコラムは凄かった。
品切れで入手困難な本なんだけど。
芥川賞を受賞するまでのドキュメントとしても楽しいし、
いま文庫になればいいのに……。
ブルボン小林の末端通信 Web生活を楽にする66のヒント (カッパ・ブックス)