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淋しいのはお前だけじゃな
 

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絵=オオキトモユキ 装幀=篠田直樹 (晶文社/2003)

「ワコール・ニュース」で3年間連載していた短歌と短文をまとめたもの。オオキトモユキ(=音楽家・トモフスキー)の絵本としても楽しめます。枡野浩一のことを知らない人が最初に読むといいのは、これかも。本書を読んでも全然ぴんとこない人は、枡野浩一のことは永遠に好きにならないと思う。書かれているエピソードはすべて実際にあったことです。フィクションがあるとすれば、「このエピソードがあった時に必ずしもこの短歌が生まれたわけではない」ということ。つまり、「この短歌の解釈はこれが正解」なんて、ゆめゆめ思わないでほしいのじゃな。
(2008年3月、集英社文庫になりました。微妙に加筆修正。解説=長嶋有)


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■ モテモテだったホワイト・デーの思い出 (文=枡野浩一)
 
●辞書をひきバレンタインが破廉恥の隣にあると気づいている日
 という短歌をつくったことがあるくらい、バレンタイン・デーにはいい思い出がない。でもホワイト・デーならいい思い出がある。それを思いだすだけで、なくしていた自信が少々よみがえり、もういちどやりなおしてみようと思えるくらいの小さな思い出である。
 当時、大きくはないが老舗と言っていい広告会社にコピーライターとして勤めていた。
 毎年、バレンタイン・デーには女性陣から男性陣に義理チョコが贈られる。そしてホワイト・デーには当然お返しが贈られるわけだけれど、その年の「お返しのプレゼントを買いにいく係」が最年少のコピーライターである私に命じられた。ちなみに最年少のグラフィックデザイナーである同僚の篠田くんは、お返しに添える「カード」を手づくりする係になった。責任重大で我々は気が重かった。
 男性より女性のほうが人数が少ないから、つまり男性全員から一人千円集めると、女性一人あたりの予算が二千円近くあることになるのだ。義理チョコのお返しにしては予算が多め。その予算に見合った買い物ができるかどうか心配だった。センスが問われるではないか。自慢ではないがモテたことなどなかった私、どんなお返しだと女性が喜ぶのかちっともわからなかった。たしか池袋西武百貨店の食料品売場で買い物したのだったと思う。
 ふと見ると、聞いたこともない菓子屋がホワイト・デーのための特別セットを販売していた。帽子をいれるような円形の紙箱に、鳥の巣のような繊維が入っていて、そこに鳥の卵のようにチョコレートやクッキーがちりばめられている……という感じのセット。パッケージがきれいで、予算もぴったりで、量は多すぎず少なすぎず、味もわるくなかった。
 それを人数分、買う。会社に戻って、篠田くんと相談しながらカードを手づくりした。
 コピーライターとして私が知恵を振り絞って考案した〈いいお友達でいましょう。〉というメッセージと、男性陣全員の名前を、ワープロでプリントして篠田くんに渡す。彼はそれを器用に白い厚紙の上へ切り貼りし、さらに光沢のある白い紙をハート型に切って貼った。ハートの色が赤やピンクではなく、白であるところが気がきいていると感心した。
 ホワイト・デーの当日、そのプレゼントを私が女性陣に手渡していった。箱が大きいのを見て口のわるい男性営業マンが、「大きいお菓子って、大味なことが多いよね……」などと私に憎まれ口を叩いたが、その場で箱をあけてみた女性陣は「かわいい!」「おいしそう!」「ありがとう!」と大喜び。手づくりカードも大いにウケていた。
 プレゼントをしてここまで女性に喜ばれたのは生まれて初めての経験で、しかも会社の男性陣の代表としてプレゼントを用意したわけだから二重に嬉しかった。広告会社の社員時代に私の仕事が純粋に評価されたのは、あれが最初で最後だったのではないかと思うほど好評だった。
 それから十数年が過ぎたけれど、あのとき以上に喜ばれるプレゼントを私はまだだれにもしていない。でも自分の本をつくるとき、「見知らぬだれかが自分へのプレゼントだと思ってくれるような楽しい本にしよう」と、毎回せいいっぱい工夫をしているつもりだ。
 近著『淋しいのはお前だけじゃな』(晶文社、絵=オオキトモユキ)のブックデザインは、CDジャケットデザインで活躍する篠田直樹氏が担当してくれた。篠田……そう、あのとき一緒にカードをつくった篠田くんだ。


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 数年前に、ソニープラザの仕事で編んだミニ短歌集が、これ
 

(コメントは書き下ろし。後半のエッセイは「楽しいわが家」より。)

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  増野ではなく升野でも舛野でも桝野でもない枡野なんです (枡野浩一)
  枡野浩一です。私の公式サイト『ますので』は、友人たちがつくった会社、階段社によって運営されています。枡野への連絡はまず、メール(ii@masuno.de)でお願いします。電話が少し苦手です。また、メールまたは郵送で送られてきた作品に感想を言うようなことは一切していません。何卒ご勘弁ください。どうぞよろしくお願いします。
 
image 『かなしーおもちゃ』以降の本の紹介ページが未完成ですみません。順次また……。
枡野書店とは?
枡野書店は実在します。たまに枡野書店謹製グッズも作っています。下の写真の枡野浩一が身につけているのは、短歌Tシャツや単行本発売記念マフラー(いずれも完売)。また思いついたら作ります。


 
枡野浩一の銀行口座
  この才能ある歌人に財産をあげたいという大金持ちの方は、ご自由にお振り込みください。

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吉祥寺支店(220) 
普通 0121660 
マスノ コウイチ


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仕事の依頼等は、ii@masuno.deまでお願いします。枡野浩一に転送されます。お返事は出せませんが、ファンレターも有り難く拝読しています。「私の短歌を読んでください」というメールはご遠慮ください。
 
 
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